ホンネの座談会 Part.1 〜コミュニケーションとデザイン〜

はじめに

今回から数回にわたりデザインメイトのディレクターとデザイナーで開かれた座談会の内容を公開します。前半となる今回のテーマは

「ディレクターとデザイナーはどのように一緒に仕事をするか?」
「どうしたらお客様と一緒に面白いデザインができるか?」

についてです!

  • デザイン会社に仕事を依頼しようと考えている方
  • デザイン会社への就職に興味がある方

に我々のことをもっと知って頂ければ嬉しいです。

座談会メンバー

■座談会メンバー紹介(左から)

制作部 リーダー:齋藤 優祐 趣味はケーキ屋巡り
代表取締役:長谷部 駿 趣味は服作り
営業部 ディレクター:宮崎 磨里子 趣味は料理
制作部 デザイナー:呉エステル 趣味はコーヒーと散歩
取締役 制作部長:矢口 洋 趣味は高カカオチョコレートとアルコール

ディレクターとデザイナーは上下の関係ではなく同じゴールに向かって走る伴走者

長谷部(代表取締役)
デザインメイトではディレクターがクライアントから仕事を受け、それをデザイナーに依頼して制作がスタートするわけですが、まず社内のディレクターとデザイナーの連携についての話を聞かせてください!

宮崎(営業部・ディレクター)
ディレクターとデザイナーの連携と聞いて最初に思い浮かんだのは、初回プレゼンですね。

ディレクターは最初クライアントからのオリエンテーションを受けて、それをデザイナーに共有するのですが、ディレクターはその内容をそのまま伝えたり、オリエンシートを共有するだけじゃないですよね。

そこに言葉だけでは伝わらない情報、例えばディレクターの解釈やイメージなどを添えて共有しています。

それに対して、何人かのデザイナーがラフスケッチを起こしますが、そこで初めてデザイナーの考えが分かると言うか、クライアントのイメージが形となる瞬間があるんですよね。

斉藤(制作部・リーダー)
そうですね。

社内オリエン時にディレクターがデザイナーとディスカッションをして、うちの提案として網羅すべき所を考えて各デザイナーにデザインをお願いする。

その後デザイナーはラフを見せますが、ディレクターは「こういう考え方もあるから見せ方を追加してください。」という、やり取りが良いなと思っています。

また、最近の取り組みの中だとディレクターがクライアントの商品に関して社内でアンケートを取ることが多いですよね?

宮崎
うんうん。

斉藤
その声は自分がデザインする際も参考にしています。

ポジティブな意見がある部分は残して、ネガティブな部分は良くなるように修正したり。

案件に関わらない人も、アンケートには答えられるので、会社全体のチームワークが高まる良い施策なので続けて頂きたいと思う。

宮崎
最近話したクライアントさん(大手食品卸)は、グループで数千人の社員がいてデザインのリニューアルがあるときは社内でアンケートを取るらしいですよ!

社員の皆さんが「今度こんな商品がでるんだ!」と知るきっかけになるし、会社としても自社の商品を社員の人に知ってもらえるので、とても良い試みだなと思いました。

そうですね、消費者アンケートではないのですが、デザイナーもクライアントもプロの目線で見るので、消費者が気づかないような細部まで意見が出ますよね。

齋藤 優祐

宮崎
デザイナーは作ったラフを個別にディレクターに見せていると思うのですが、他の方がどんなデザインを出したかって気になりますか?

矢口(取締役・制作部部長)
そりゃ気になりますよね(笑)

宮崎
それによって全てのラフの中で自分のデザインの位置づけが分かるということですよね?

矢口
他の方のデザインを見ることで違う視点を得たり、他のデザイナーもいるので、ある種クライアントがディレクターにするような視点で、自分のデザインをディレクターに提案するよね。

呉(制作部・デザイナー)
自分が持っていない発想やアイディアがそこで見れるので、仕事を通じて自分を発展させることができる良い環境だと思っています。

宮崎
そういう意味では、30名を超えるこの規模だったり、50代のベテランから20代の新入社員までがいるのは良い環境なのかもしれませんね!

矢口
うちはディレクターの意見が全てではなく、良いものは新入社員のものでも取り入れますね。

モノは作る上で双方はフェアな関係なので、上下関係なく良いものはしっかりとクライアントに提案する風土がデザインメイトにはあります。

宮崎
私がディレクターとして意識しているのは、足を使って制作のヒントをかき集めることです。

最近は飲食・食品以外の新しい業界の仕事が増えているので、デザイナーの方が制作をしやすい環境を整えるため実地調査で写真や素材などを集めたりしています。

長谷部
普段自分では足を運ばない場所に行ったり、結構大変だよね(笑)

斉藤
自分は、ディレクター・デザイナーどちらの立場でも仕事をしています。

ディレクターとしての仕事では自分にはないアイディアをクライアントに提案したいので、より表現の幅が広がるようにデザイナーにはオリエンテーションをしています。

矢口
会社では僕も含めディレクターとデザイナーどっちもやっている人が何人かいますよね。

クライアントに良いものを提供するというゴールのためには両方をやるのが良いと思ってます。

長谷部
「上下関係がない」「デザイナーの幅広いアイディアを取り入れる」という話を聞いているとデザイナーは非常に働きやすい環境のように聞こえましたが、一方でクライアントの要望を満たすという観点ではどうでしょうか?

ディレクターはクライアントを一番理解している立場なので、ディレクターの言うことを素直に聞いた方がクライアントの要望を素早く満たせるようにも思いましたが?

宮崎
そうですね、クライアントからのオリエンシートにはさらっと書いてあるのだけど、オリエン中に何度も口に出すワードは、クライアント担当者が気になっているポイントです。

クライアントの真意をくみ取れるかは重要だし、それはディレクターしか分からないポイントだと思います。

長谷部
なるほど、ディレクターの聞く力が大切になってくるわけですね。

矢口
そうそう、聞く力は本当に大切。

長谷部
逆にクライアントのオリエン力というか説明の仕方も重要ですよね?

あるクライアントさんでは若手のマーケッターのオリエン力が足りていない。ということを課題に挙げていました。

表現力や説明する力が足りないとオリエンテーションという限られた時間の中で自分のイメージを伝えることができない。結果的にデザイナーになかなかイメージが伝わらない。

なので、うちではクライアント向けにワークショップを開いていて、オリエンテーションの伝えるべきポイントやコツをお伝えしています。

宮崎
うちの宣伝ですね(笑)

クライアントとのコミュニケーションが密になればなるほど面白いものができる

長谷部
さきほどの最後の話に繋がるのですが、クライアントとのコミュニケーションについて話を聞かせてください。

宮崎
とある大手菓子メーカー様のロングライフブランドの案件ですが、デザインを変える部分と変えない部分を精査したのち、その中でも特に外せないポイントを抑えて提案をしました。

そのメーカーでは社内にデザイナーの方がいたのですが、商品らしさだったり、現代における商品の位置づけのような商品の解像度は社内デザイナーの方の方が高いと正直思いました。

社内デザイナーがロゴをカテゴリーらしさ、時代を、社内デザイナーの方が会社の歴史や会社の立ち位置に関する解像度は高いんですよね。

矢口
まさにですよね。社内デザイナーの方が当然商品の理解度は高いです。

なので、商品らしさというツボは抑えられるんだけど、故に新しい所にジャンプできないという壁もあるんですよね。そこは僕らが変わりに提案するべきところだと思ってます。

長谷部
デザイナー的にはインハウスがいる会社、いない会社で関わり方は変わったりしますか?

斉藤
変わりますね。

インハウスのデザイナーがいる場合だと、我々のデザイン以外にどのようなデザインが社内で検討されているのかというのが見えづらいことがあります。

インハウスデザイナーとアイディアがバッティングしていたり、クライアント内部ではより細かいやり取りがされていると思うので、ゴールまでの距離が分かりづらいことがありますね。

ただ、インハウスの方が出されたデザインを見て「あ、ここまでやっていいんだ!」と思うこともあるので、コミュニケーションがより密になればもっと面白いデザインができるのではないかと思ってます。

長谷部
クライアントからのフィードバックという観点でいうと、納品したデザインが社内でどのように議論されたのかは聞きたいですよね?

デザイン担当部署だけではなく、事業部の営業担当や、その先のバイヤーの方の意見など。

我々も日々目まぐるしく案件が動いているので中々聞けていないと思いますが、デザインの質やデザイナーのモチベーションを高める意味でも積極的にヒアリングするべきだと思ってます。

矢口
そうそう!いいものになるときって、やっぱりその辺のキャッチボールがめちゃくちゃよくできてる時が多いかな。

社内、社外関係なく想像してなかったものが出てきて、それいいね!それを引き上げよう!みたいな感じになるときがある。


採用されたという結果だけではなく、採用までのプロセスが知れたら、次の仕事により活かせると思います。

長谷部
クライアント内部では、こちらが想定していない部分で揉めている可能性もありますからね(笑)

え?そこでそんな議論が!?みたいな裏話をしっかりと聞ける関係性の構築もディレクターは大事ですよね。

次回に続く。